■嫁ぬすみ、いいなずけ、かけ落ち
・嫁ぬすみ - 男女二人のみではなく、男のがわには若人仲間のうしろ立てがあり、そのうちの二、三人が娘をかつぐ直接の下手人になります。
ぬすみおえたら、嫁の家に通告しますと、親はその労をねぎらい、娘がぬすまれたことを世間に吹聴し、これで結婚が成立します。
奪略婚です。
・いいなずけ - 双方の親の合意で、幼少のころから婚約をむすんでおくこと、またはその当人同志のことですが、語源的には三の姫(三番目のお姫さま)とか、権次郎の末娘とかというふうに、まだ名まえもついていない幼女へ、婚約のしるしとして、言名をつける(呼び名を贈る)ことです。
・かけ落ち - 互いに思いあい、愛し想っている男女が、しめし合わせて、ひそかに他郷に逃亡することですが、実際問題としては、オバさんの家あたりに、かけ込むことによって、既定の事実として婚姻の運びになります。
■荷物送りの宰領と荷物目録
荷物送りは、なるべく午前中に着くように考えて、当日は仲人、宰領の方にはお祝い酒を出し、宰領には荷物と目録を照合して、"本日はご多忙中をご苦労さまです。
目録のとおり先方におとどけくださいますよう、よろしくお願い申します。"と挨拶して鍵を渡します。
荷物目録は、使者から使者に渡すという意味で、差出人もあて名も書きません。
一枚の奉書に主だった品目を認め、端からくるくる巻きにし、同じ奉書で包み、表に上と書きます。
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