結婚式場の整え方や式次第は、それぞれの家に代々受け継がれてきたしきたりによって、あるいはその地方の習慣によって多少異なります。
しかし、嫁になる本人とその両親、家族、親族が新郎側に出向いて挙式するという基本的なことは同じです。
式は、新郎の自宅で行われるのが普通です。
媒酌人や知人の家で行われることもありますが、結婚の本来の意味を考えれば、新郎の自宅を式場に当てるのが本当でしょう。
挙式当日、新婦は自宅に出張してきた美容師の手によって花嫁姿になり、家族や集まった親せきとともに祝い膳を囲みます。
親しい人々の心づくしの料理を前にしたこのひとときは、新婦にとって、嫁ぐ喜びと家族との別れを悲しむ気持ちとが、複雑に入り混じったときでもありましょう。
やがて、出発の時間がきて媒酌人夫妻が迎えに来ると、います。
新婦は一同に付き添われて新郎宅へ向かきな姿見やイスなどを運んでおきます。
■床の間には掛け軸と飾り物を配する
新郎の家では、新婦を迎えるために家の内外をきれいに掃き清め、式場と披露宴会場に当てられる部屋の準備を整えます。
式場となる部屋の床の間には、松竹梅や鶴亀、日の出などといっためでたい掛け軸をかけ、その前に蓬莱台を配します。
さらに、手前の中央には長のしをのせた三方を置き、両側に雌蝶・雄蝶の銚子、お神酒の瓶子などを配します。
以上のほか、床わきに縁起もの(のしあわび、するめ、結びこぶ、勝栗など)を三方にのせて置くこともありますが、正式に行う場合は掛け軸や飾り物一つ一つにも決まりがあるので、その地方のしきたりに従うことが大切です。
部屋の準備として、新婦の控え室を用意することも忘れてはなりません。