ただ今ご紹介にあずかりました今張と申します。
ご指名により、ひと言お祝いを述べさせていただきます。
宮川君、加奈さん、ご結婚おめでとうございます。
ご両家の皆様には、心よりお喜び申し上げます。
私は、新郎宮川君とはこの五年間、同じ職場で過ごしてまいりました。
宮川君は、正確で几帳面な仕事ぶりを持って、私どもの工場でコンピュータ管理の部署を担当しています。
わが社では、数年前から全ての作業工程をコンピュータで制御しており、このささやかな産業革命のおかげで、よくなった面も数々あります。
しかし、これも肝腎のコンピュータが正しく作動すればこそです。
そうした重い責任を任され、宮川君はコンピュータ管理に、日々努力しているのでございます。
それにしても、最先端のコンピュータと向き合っていますと、私たちは、二十世紀も後半の「ハイテク時代」に生きているのだなと、つくづく実感
いたします。
その反面、例えいつの時代でも人々が暮らしのために、いろいろな製品を作り出していくことに感動のようなものを覚えます。
お二人の結婚生活も同じでございましょう。
これから宮川君と加奈さんは、愛情と信頼という目には見えない製品を作り出すという、新しい共同作業を始められるのです。
それで思い出しますのは、「金と銀は、火の中で精錬されてから、はじめて輝く」という格言です。
何か新しいものが作られる時には、必ず試練があるものです。
お二人もこれから、何かとご苦労もおありでしょう。
しかし、社会や家庭という火の中で長い間もまれていくうちに、はじめて成果が現れ、夫として妻として、そしてご夫婦としての輝きも出てくるものと確信いたします。
宮川君には、お二人の精錬工程をストップさせることなく、常に仕事も家庭も上手にコントロールしていかれることを、お願いいたします。
本日はこのような素晴らしいお席にお招きいただき、ありがとうございました。
ご両家ご親族の皆様、また本日ご列席の皆々様のご健康とご発展をお祈りいたしまして、私のご挨拶を結ばせていただきます。