日本では、未来予測、長期計画に真剣に取り組まない性癖がある。
むしろそれを少々、馬鹿にするきらいもあった。
これは「来年のことを言うと鬼が笑う」という諺がまかり通る農耕民族・稲作民族特有の体に染み付いた性質である。
万全の対策を講じていても、大型台風やひどい干ばつに見舞われれば稲は壊滅する。
それを一年前から心配していても仕方がないという生き方を日本人は何千年もやってきたのだから、その性癖はDNAの中にどつしりと根を下ろして、どうしても未来予測に力が入らない。
そして、いつも事が決定的になってから慌てる。
国民、特に行政の未来予測・長期計画の杜撰さが、少子化対策が遅れた大きな理由の一つである。
ちなみに、企業ではその性癖に甘んじていたら会社は潰れてしまうから、30?40年前からマーケティングの需要予測を重視するようになっている。
赤ちゃんメーカーが生産する哺乳瓶の量は当然、出産予測数で調整している。
第二の理由は「女性が子どもを産まない」という問題はプライベートなことということで、政治・行政並びにメディアがこの問題に深く関わることを躊躇したことである。
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