2014年4月アーカイブ

国際結婚の歴史 その3

| コメント(0)
帰化の条件や子どもの国籍に関してまだ男女差別があり、日本人父の子どものみが日本人と規定される父系優先血統主義という国籍法となりました。

自分の子どもに日本国籍がないのはおかしいと、1970年代のおわりから、国際結婚をしている女性や男女差別撤廃を求める女性たちがこの改正のために動きました。

◆1985年◆
女子差別撤廃条約(1979年国連採択)に日本が署名することになり、国内の男女差別を見直さざるをえなくなった日本政府は、1984(昭和59)年5月18日に国籍法と戸籍法の一部を改正しました。

これは1985(昭和60)年1月1日から施行されており、これにより両親のどちらかが日本国籍であれば、子どもは日本国籍を持つことになりました)。

結婚を規定する「法例」も男女平等のものに改正され、国際結婚に関する法律はやっと性差別がなくなったといえるでしょう。

◆1995年◆
国籍法の欠点が再び問われています。

日本人を父に持つ婚外子は、出生前認知であれば日本国籍がとれるが、出生後の認知ではとれないという法律上の矛盾が、現実に子どもたちの問に不平等を生んでいます。

これを訴える裁判が東京、大阪で起こされています。

国際結婚

国際結婚の歴史 その2

| コメント(0)
明治憲法における国際結婚についての考え方は、1899(明治32)年の法律としての国籍法に引きつがれました。

外国人の妻となる日本人女性は日本の国籍を失い、日本人の妻となる外国人女性は日本国籍を得るという男性中心の夫婦国籍同一主義が採用されました。

しかし、これでは夫の国籍が得られず、無国籍になる場合があるので、1916年(大正5年)に、夫の国籍を取得したときのみ日本国籍を失うと改正されました。

また、それらの子どもについては、日本人の父を持つ場合のみ日本国籍をみとめました。

この法律が戦後の国籍法改正まで続くのですから、いまでも外国人と結婚すれば日本人でなくなると思っている日本人女性がいるのも不思議ではありません。

◆新憲法になって◆
第二次世界大戦後、新憲法が公布され、個人の尊厳と男女の平等

という原則によって旧民法の「家」制度も廃止されました。

外国人との結婚による同籍同一主義も見直され、1950(昭和25)年の国籍法改正では、外国人と結婚しても日本人女性の日本国籍はそのまま、日本人の妻となる外国人女性は帰化によって日本国籍をとる方法がとられました。