国際結婚を成功させるコツは、お相手との交際や結婚によって得たことの結果、何を残し、何を捨てるのかということです。
すべてを受け入れたり、すべてを捨てるという態度は、一見、相手とのコミュニケーションが円滑に行われているように見えますが、自分を失うことになることがあるのです。
日常生活と同様に、国際的な交際の中での意思の疎通は、一層、複雑です。
日本人同士、お互いによく知っている場合でも、理解し合うことはなかなか困難ですが、他民族・他国人との相互理解はより難しいのです。
場合によっては、国際的な広がりによって、誤解や偏見が、さらに増幅されるおそれがあります。
従って、国際社会にあっては、日常生活よりもさらに賢明にかつ慎重な選択的対応が必要なのです。
相手と意思を通じ合うための努力としてのコミュニケーションにとって、もっとも重要なことは、お互いの主体性をどのように認め合っているかということです。
自分を失ったり、あるいは相手の主体性を失わせるような関係は、どちらか一方が相手を支配するという結果をもたらします。
そのような関係に陥ることなく、正しいコミュニケーション関係を保つためには、一人ひとりが自分の主体性を確認し、確立していくことが求められます。
国際化時代にあって、相手について問うこと以上に重要なのは自らに問うということだと、しばしば指摘されるのは、以上のような背景からなのです。