国際結婚でうまくいかなくなるパターンの一つが、無理に結婚相手の文化に同化しようとすることです。
相手の考えや文化を批判的に受け止めることをせず、自分にとってどのような意味を持っているのかという検証をしないまま、相手に同調すると、ストレスやひずみを生みやすくなります。
それまで持ち続けてきた文化や価値を検証することなく、異文化に埋没することは、本来的な意味で自分を守ったことにはなりません。
自分の主体性を守ろうと、ひとまず相手に同調して相手との緊張を回避することは、意に反して、自分の立場を失わせる結果となるのです。
人の考えや態度、行動は不変のものではなく、状況によって変化していくものであることは言うまでもありません。
創造的に個別的に生きるということは、直面する外界の変化を受け入れ、新しい行動の在り方をつくり出していく能力にかかっています。
しかし、判断を避けて相手に同調すると、その結果として、それまで守り、これからも守り続けたいと本人が思っていた自分の主体性を失ってしまうことになることがあるということは、国際化が進む今、真剣に考えたいことです。
国際結婚では、自分の文化を相手に理解してもらうこともたいへん重要なのです。