2013年7月アーカイブ

国際結婚がうまくいかなくなったからといって、相手が自分の前から消えることを望んだり、実際に相手を物理的あるいは心理的な力で排斥するといった行動に出るとすれば、問題を引き起こすことになるのです。

孤立状態で生活したり生存できる時は、相手を意識の上でも行動の上でも、排斥することは実際的に可能でしょう。

しかし、国際化が進んだ今の時代は、国としても個人としても、他の国や他の国の人びとを排斥して孤立することは許されません。

しかし、相手を排斥しないと自分が脅かされるのではないかという、不安に駆られる心理が働くことも事実なのです。

例えば、他の国の人とディスカッションをしている時、相手の主張や論理に言い負かされそうになることがあります。

その時、相手を排斥しないと、自分が相手の考えに巻き込まれるのではと、不安になることがあります。

それは、自分自身の主体性の弱さを無意識に感じているために、相手を排斥することによって自分を守ろうとしているのです。

自分の主体性が強いので相手を退けているのではなく、自分の主体性が弱いということを感じているので、相手を退けるという心理状態になっているのです。


多くの場合、国際結婚のトラブルは、どちらかが一方的に百パーセント正しいということはあり得ません。

にもかかわらず、人はしばしば自分の立場を固執し、主張し、判断基準を自分の側にだけ置こうとします。

相手の側の考え方を聞くと、自分の考えとの違いが明らかとなり、その結果、自分の考えが侵されはしないかという不安に陥るのです。

従って、耳をふさぎ、目を閉じて、相手から自分を守ろうとするのです。

このような態度、行動と反対のように見られる態度、行動を取ることもあります。

それは、自分をもっと強く守ろうとするため、自分の中に閉じこもることから逆転して、相手に対して攻撃的になることです。

価値観や態度・行動が自分たちと異なる人と対面すると、だれでもある種の不安を抱き、不安定な状態に陥ります。

そのような事態に慣れていないと不安の解消方法が分からず、相手に直接ぶつかっていく態度・行動を引き起こします。

この時の直接的な行動は相手を排斥する形となって示されます。

国際結婚したカップルが、相手と自分との違いを意識するのは、すべての人の背景が異なるわけですから当然のことなのです。