2011年8月アーカイブ

法例が改正され、日本で外国人との離婚手続きをする場合、日本法が準拠法として適用されます。

離婚の準拠法の適用範囲は、離婚の原因や方法、離婚を成立させる機関(役所あるいは家裁など)、夫婦の氏、子の親権者・監護者の決定(後述)、離婚給付に及びます。

ここでは日本の離婚の方法について見てみましょう。

また、外国居住が永く、そこで離婚する場合は、外国の法律が適用される場合が多いでしょうが、国によって方法が異なりますのでその国の法律を調べる必要があります。

日本の離婚手続きは、双方に離婚の意思があれば、世界一簡単です。

双方合意の上で、役所に離婚届を出すだけの協議離婚は、離婚件数全体の約90%を占めています。

協議離婚が成立しないときは、家庭裁判所へ申し立て、調停離婚あるいは審判離婚となります。

家庭裁判所で調停できなかった場合にはじめて、一般の裁判所での裁判離婚となります。

日本では、調停前置主義といって、いきなり裁判離婚に持ち込むことはできません。

その前に必ず、家庭裁判所で調停を受けなければならないのです。

 

 

国際結婚の離婚

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結婚する前に離婚のことを考える人はいないと思いますが、いつか夫婦生活が破綻したり、別れなければならなくなったとき、外国人配偶者を持つ者は、どのようにして離婚することができるのでしょうか。

また、日本では離婚が成立しても国によっては離婚を認めないところもあるので、結婚届を出す前に調べておく方がよいかもしれません。

国際結婚の離婚の要求や方式についてどこの法律を適用するのか、つまり準拠法をどれにするのかを決めるのが、「法例」(国際私法)です。

この法例は1990年1月1日から一部改正され実施されています。

旧法例16条には「離婚はその原因たる事実の発生したる時における夫の本国法に依る」とあり、夫の国の法律で離婚が決められるという偏ったものであったので男女平等の観点からも改正が要望されていました。

新しい法例は、夫婦の常居所のある国の法律、あるいはもっとも密接な関係のある国の法律を適用することになり(新法例第14条、第16条)、離婚の方法が大きく変わりました。

日本に常居所をもつ日本人であるならば、もう一方が外国にいても日本の法律が適用されることとなっています(新法例第16条)。