2011年4月アーカイブ

民事婚と宗教婚

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日本で国際結婚するなら日本式のやり方、つまり、役所に届け出る方法をとらなければなりません。

これを創設的届出といって、外国で結婚し、あとでそれを日本へ届けること(報告的届出)と区別されています。

世界の結婚いろいろこの場合の結婚というのは、宗教儀式や披露宴をやってみんなから祝ってもらう結婚式のことではなく、役所に届ける公式の結婚ということです。

結婚する場所の国が二人の国でないときは、第3番目の国が関係してきますので、そこの国の法律も注意してください。

結婚が公式に成立するための方法は国によって違います。

日本のように役所に届けるだけでよいところもありますが、宗教的な儀式ですますところもあります。

前者を民事婚、後者を宗教婚といい、これらのどちらをも認めている国もあります。

民事婚のなかには、届けるだけでよい届出婚、役所で儀式を行う儀式婚や、本国にいないため外国にある自国の大使館に結婚を届ける外交婚などがあります。

世界はひろいのだから、そのほかにもいろいろあるのでしょうね。
国際結婚が法律的に認められるには、両方の国の「国際私法」が決め手です。

「国際私法」は、外国との関係をどのような法律で対応するか(日本の法律かあるいは他の国の法律か)を決めている法律のことで、日本では「法例」とよばれています。

一般にはあまりなじみがないですね。

国際結婚が成立したり、解消したりするときにはもちろんのこと、親子関係や夫婦の財産、養子縁組のことまで、外国とのかかわりがあるとき、この「法例」が用いられます。

古い法例から新しい法例へ「法例」は1898(明治31)年につくられたという古いものです。

そこでは、外国人と結婚する日本人女性はその相手の国の法律で結婚・離婚が決められるなど、非常に評判が悪く、男女の間で不平等なものでした(たとえば離婚を禁止している国の人と結婚している日本人女性は、離婚できないなど)。

しかし、結婚および親子に関する部分が改正され、1990年1月1日から新しい「法例」が施行されるようになりました。
外国で結婚するには夫あるいは妻となる人の国で結婚するにしろ、その他の第三国で結婚するにしろ、日本人に関する婚姻の方式は、婚姻挙行地の法律による(法例13条2項)とされています。

したがって、その国が指定するとおりに結婚し、婚姻証明書を受け取ります。

そして、それをその国の在外日本公館または日本の本籍地へ、3カ月以内に届けをしなければなりません(戸籍法41条)。

この報告的届出を怠り届けが遅れると、120条違反になり、3万円以下の過料をとられることがあります。

婚姻証明書を受け取った日本公館は提出者の本籍地へ届出書を送付し、新しい戸籍が作られます。

また、日本の本籍地に直接届出書を送付した場合も、それに基づき新しい戸籍が編成されます。